いろいろな試算を少し本格的にやってみる。

気の向くまま、いろいろな試算をします。(ゆる~くではなくなってきたのでタイトルを変えました) 基本的にスポーツは何でも見ます。競技によっては人並み以上に知識もあります。 少しでも需要があればいいかなと思いますので、批判も含めたご意見・ご感想をお待ちしています。

NHK杯雑感 および GPファイナル展望(女子シングル編)※12/5加筆修正

こんばんは、ch191です。

前回記事に引き続き、たくさんの方にご覧いただきありがとうございます。

GPシリーズ最終戦NHK杯が終了しました。

リザルトは以下の通りです。

1位 グレイシー・ゴールド    米国    191.16

2位 アリーナ・レオノワ    ロシア 186.40

3位 宮原知子          日本    179.02

4位 村上佳菜子          日本    173.09

5位 加藤利緒菜          日本    168.38

6位 ガブリエル・デールマン カナダ 164.74

7位 李子君          中国    162.90

8位 ポリーナ・エドモンズ    米国    161.79

9位 クリスティーナ・ガオ    米国    147.51

10位 エレーネ・ゲデバニシビリ グルジア 142.96

11位 アンナ・オフチャロワ    スイス 132.32

12位 アンネ・リネ・ヤシェム ノルウェー 125.17

宮原が3位、村上が4位ということで、GPファイナル進出はなりませんでした。

最終滑走のゴールドが宮原を上回らなければ宮原がファイナルだったのですが。。。

フリーだけでいうと宮原はゴールドに次ぐ2番目の成績だったことを考えると、SPでの出遅れが痛かったですね。

安定して180点前後の点数が出せるようになってきていますので、ミスのない演技ができれば190点以上出そうな感じです。

そうなると、PCSも上がってくるでしょうから、今後の試合に期待しましょう。

村上は3連続ジャンプが0点になってしまったのが響き、フリー7位に沈みました。

(今年のルール改正で、2回転ジャンプも同種類2回までとなったため。コンビネーションの前に飛んだ単独の3Loが2Loになってしまい、その後3S+2Lo+2Loを飛んだため、ダブルループを3回飛んでしまったことになる)

3S+2Lo+2Loは基礎点で7.80、1つめの3Sが回転不足判定だったので実際は6.50ですが、いずれにしてもTESに大きく影響しました。

ジャンプ以外の要素でもスピンは全てレベル4をとるなど、評価は高かっただけに、ミスがなければ、と思わざるを得ません。

全日本ではこの悔しさを晴らしてほしいですね。

そんな中すばらしい演技を披露してくれたのはGPシリーズデビューとなる加藤利緒菜。

ほぼ完璧な演技を披露し、自己ベストを大幅に更新。

FS4位で総合5位に入りました。

まだ宮原と同じ16歳、今後が楽しみですね。

ゴールドはジャンプの転倒こそありましたが、フリーもトップでGPシリーズ初優勝、GPファイナル進出を決めました。

PCSが4項目8点台と高い評価を受けました。

2位に入ったレオノワも健在ぶりを見せてくれました。

これでNHK杯は出場した3回すべて表彰台に上っています。

ということで14季ぶりに日本人不在のGPファイナルとなってしまいましたが、ジュニア世代も伸びてきていますし、オリンピックに向けてはこれからでしょう。

それだけに、全日本フィギュアが楽しみです。

本命不在の中、誰が優勝するのでしょうか。

さて、これでGPファイナル6名が決まりました。

ポイント表は以下の通りです。

1 エレーナ・ラジオノワ(ロシア)     30(優勝195.47)(優勝203.92)

2 エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア) 28(2位189.62)(優勝196.60)

3 アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)     28(優勝191.81)(2位173.43)

4 グレイシー・ゴールド(米国)     26(3位179.38)(優勝191.16)

5 ユリア・リプニツカヤ(ロシア)     26(2位173.57)(2位185.18)

6 アシュリー・ワグナー(米国)     24(2位186.00)(3位177.74)

                                                   

7 本郷 理華                22(5位171.47)(優勝178.00)

8 宮原 知子                22(3位181.75)(3位179.02)

9 村上 佳菜子              20(3位169.39)(4位173.09)

GPファイナルに日本人選手は出られませんが、ご覧の通り本郷、宮原、村上がそれぞれ補欠1位、2位、3位となっているのです。

来シーズン以降、もっと言えば来年の四大陸選手権や世界選手権での活躍に期待したいところです。

6名はロシア勢4名、アメリカ勢2名という構成になりました。

GPファイナル出場回数は、ワグナーが最多で3年連続4度目、トゥクタミシェワが2年ぶり3度目、ラジオノワ・ポゴリラヤ・リプニツカヤが2年連続2度目、ゴールドのみ初出場です。

全員優勝経験はなく、誰が勝ってもGPファイナル初優勝となります。

基本情報はこれぐらいで。

では、今シーズンの成績を詳しく見ていきましょう。

2戦の平均点をTESとPCSに分けてみます。(カッコ内はTES+PCS-減点)※小数第3位は四捨五入。一部0.01の誤差あり。

ラジオノワ    SP 66.43(36.44+29.99-0.00) FS 133.27(69.50+63.77-0.00) 合計 199.70(105.94+93.76-0.00)

トゥクタミシェワ SP 67.70(36.50+31.20-0.00) FS 125.41(61.93+63.49-0.00) 合計 193.11( 98.43+94.69-0.00)

ポゴリラヤ    SP 62.30(32.83+29.47-0.00) FS 120.32(59.88+60.45-0.00) 合計 182.62( 92.71+89.92-0.00)

ゴールド     SP 64.49(33.53+30.96-0.00) FS 120.78(57.40+63.88-0.50) 合計 185.27( 90.93+94.84-0.50)

リプニツカヤ   SP 68.18(36.53+31.65-0.00) FS 111.20(50.76+61.95-1.50) 合計 179.38( 87.29+93.60-1.50)

ワグナー     SP 62.61(30.40+32.21-0.00) FS 119.27(55.67+64.10-0.50) 合計 181.87( 86.07+96.31-0.50)

PCSの合計は12で割ると1項目の平均点となります。

こう見ると、ラジオノワのTESが一歩抜けている感じがありますね。

GOEによる加点も大きく、安定感があります。

何より唯一の2連勝ですから、優勝候補筆頭であることは間違いないでしょう。

ただし、それだけいい演技ができているにもかかわらず、PCSでいうと4番目です。

そのPCSが一番高いのはワグナーです。

ジャンプ等でのミスがありながらの数字ですから、特にFSでいい演技ができれば、PCSはさらに上がります。

ミスがない演技ができた時のことを考えれば、ワグナーは面白い存在といえます。

トゥクタミシェワも大きなミスなく2試合とも高い得点を出しています。

ラジオノワの対抗といえるでしょう。

不気味なのはリプニツカヤです。

SPでは6人中トップの成績ですが、FSはミスが目立ち、最下位です。

ということは、FS次第では優勝争いに加わります。

昨年は初出場で2位。

今年こそは、という思いも強いでしょう。

ポゴリラヤは昨年6位に沈んだリベンジを狙います。

PCSは昨シーズンより上がっており、優勝したスケートカナダのような演技ができれば面白い存在です。

ゴールドは初出場ですが、ソチで4位に入るなど、大舞台で力を発揮できる選手です。

PCSもワグナーに次ぐ2番目、NHK杯でもフリーでミスがありながら190点を越えてくるなど、地力も高いです。

ミスがなければさらに高い得点が期待できます。

以上まとめますと、絶対的な優勝候補はおらず、力は拮抗しています。

誰にでも優勝のチャンスがあり、1つのミスが命取りになりかねないでしょう。

非常に予想が難しいですが、予想してみました。

①トゥクタミシェワ②ラジオノワ③ゴールド④リプニツカヤ⑤ワグナー⑥ポゴリラヤ

トゥクタミシェワはスケートアメリカでラジオノワに負けています(しかもSP1位からの逆転負け)ので、リベンジを果たすのではないかと。

ロシア勢表彰台独占を見たくないという願望も少し入っていますが、ゴールドの表彰台は十分あり得ると思います。

決戦は2週間後。

ハイレベルな争いに期待しましょう。

【12/5追記】

ゴールドが左足疲労骨折によりGPファイナルを欠場することが発表されました。

NHK杯優勝で勢いに乗っていただけに残念です。

この結果、補欠1位だった本郷が繰り上がりで出場することになりました。

人事を尽くして、とはまさしくこのことでしょうか。

今後の世代を担う彼女にとって、GPファイナルという舞台はこの上ない良い経験となることでしょう。

ちなみに、本郷の2戦の平均スコアは以下の通りです。

SP 59.48(32.85+26.63-0.00) FS 115.26(58.78+56.49-0.00) 合計 174.74(91.63+83.11-0.00)

他の5選手と比べると、PCSでかなり差がありますが、1戦目から2戦目にかけてPCSは1項目平均0.5以上(6.66⇒7.19)上がっています。

優勝という実績を持って臨むこの大会ですから、PCSはさらに上がることが予想されます。

ということで、ミスのない演技ができれば表彰台争いにからむ可能性も十分あります。

彼女らしい、ダイナミックな演技をしてもらいたいですね。