いろいろな試算を少し本格的にやってみる。

気の向くまま、いろいろな試算をします。(ゆる~くではなくなってきたのでタイトルを変えました) 基本的にスポーツは何でも見ます。競技によっては人並み以上に知識もあります。 少しでも需要があればいいかなと思いますので、批判も含めたご意見・ご感想をお待ちしています。

2018FIFAW杯ロシア ポーランド戦の終盤の戦い方について(私見)

サッカーの話題をブログで書くのは初めてだと思います。

今回書くことはあくまで私見であることを踏まえて御覧いただければと思います。

また、サッカーが「プロスポーツ」であるという観点から、ポーランド戦の終盤の戦い方ついて書いていきたいと思います。

 

皆さんご存じのとおり、日本代表は1勝1敗1引き分けの勝ち点4で、勝ち点6のコロンビアに次ぐグループ2位となり、決勝トーナメント進出を果たしました。

しかし、グループステージ最終戦ポーランド戦の終盤の戦い方は賛否両論を呼ぶものとなりました。

0-1で負けているにもかかわらず、ディフェンスラインでのセーフティーなパス回しに終始し、そのまま試合終了を迎えたのです。

 

この試合が始まる前、2敗のポーランドを除く、日本、セネガル、コロンビアの3か国に決勝トーナメント進出の可能性がありました。

日本は引き分け以上で自力での突破を決められるのですが、敗れた場合はもう1試合のセネガルvsコロンビアの結果次第。

日本が後半14分、ポーランドに先制を許した時点ではセネガルvsコロンビアは0-0で、このままでは日本は敗退するという窮地に追い込まれました。

しかし、後半29分にコロンビアが先制ゴールを上げて1-0、フェアプレーポイントの差で日本がセネガルの上になり、このままなら2位突破という状況に。

そして、先述の通りの戦い方でそのままタイムアップの笛を聞いたのです。

 

賛成派は、決勝トーナメント進出のためには仕方がなかった、戦い方うんぬんを言っていられる場合ではなかったなど、否定派は、フェアプレーポイントは上だけど最後のはフェアプレーではなかった、戦い方が汚い、セネガルが追いついていたらシャレにならなかったなど。

客観的に見ると、賛成派の方が現役選手や解説者、あるいは識者と呼ばれる人たちが多いように見えます。

それはやはり、サッカーが「プロスポーツ」であることが大いに関係しているように思うのです。

 

私も賛成派です。

プロスポーツである以上は、「結果」がすべてです。

時には目的のためには手段を選ばないということも必要になってきます。(もちろん、それはスポーツマンシップにのっとったプレーをした上で、でなければなりませんが)

今回の試合の最大の目的は決勝トーナメントに進出すること、そしてその結果が得られたわけですから、非難される筋合いは一つもないのです。

さらに言えば、日本は強豪国ではありません。

どこと当たっても、相手国はほぼ格上。

その状況下で、「きれいな」戦い方で勝ち上がれる保証がどこにあるのでしょうか。

きれいな戦い方をして、0-2にでもなっていれば、敗退していたわけです。

そうなれば、その戦い方の評価は賛否どころか否だけになってしまうのではないでしょうか。

 

ハリルホジッチ前監督のショッキングな解任劇以来、私は正直、今回のW杯は日本代表に期待していませんでした。

3敗、良くて2敗1分けでのグループリーグ敗退だろうと思っていたのです。

ところが、ふたを開けてみると初戦のコロンビア戦に勝利し、2戦目のセネガル戦に引き分け、決勝トーナメント進出の可能性が大いにある中で3戦目を迎えることができたました。

この結果を導いた西野監督の手腕は当然、評価されるべきです。

何しろ、私のような厳しい見方をしていた方が多かった中で、結果を出したわけですから。

今回の終盤の戦い方も、明確なビジョンを持ち、綿密な分析を行った上で、最善の策を導き出し、それをしっかりと遂行したわけです。

 

まず、この試合における最大のミッションは先述の通り、決勝トーナメントに進出することです。

そして、前の試合から6人を変えたポーランド戦のスタメンを見る限り、W杯史上初のベスト8を見据えていることが分かります。

これは推測ですが、1位で勝ち上がったとしても決勝トーナメント1回戦で当たるのは強豪イングランドだったわけで、それなら2位通過でも主力のコンディションを整えて決勝トーナメント1回戦に臨んだ方が、ベスト8に上がれる可能性が高いと踏んだのではないかと思います。

 

前半0-0で終えられたのはほぼプラン通りだったと思います。

しかし、後半早い段階で先制点を許してしまいます。

これは誤算だったでしょうが、この時点で他会場は0-0。

少なくとも追いつく必要があるため、2枚目の交代カードとして得点が期待できる乾を投入しました。

しかし、前がかりになったことで、逆にカウンターを受けて、あわやという場面が失点以前に比べて増えていきました。

 

コロンビアが先制をしたことで状況が変わった後半29分、日本の分析スタッフは間違いなく失点後のセネガルの動向をチェックしていたでしょう。

セネガルも失点したことで自分たちが敗退の危機に陥ったことを分かっていたはずです。

そのため、同点に追いつかなければならないプレッシャーで攻撃が空回りしている。

これは追加点を取られるリスクを負うぐらいなら、たとえ日本が0-1で負けたとしても、コロンビアがそのまま勝つ可能性に懸けた方がいいのではないか。

コロンビアも引き分けなら敗退のリスクがあることを考えても。

後半37分に長谷部が投入されるまでのわずか数分の間に、日本陣営は結論を出し、監督やスタッフ、控え選手を含めたベンチ全員で考えを共有し、さらに長谷部をピッチに送り出すことで、ピッチ上にいる選手たち全員にも浸透させました。

カウンターを受けて失点したり、イエローカードをもらうリスクを減らし、確実にボールを回す。

相当に勇気のいる決断だったと思いますが、選手たちもそれを最後まで遂行しました。

 

私は今回の戦い方を批判している人に声を大にして言いたい。

普通に戦って、結果敗退しても批判をしないのかと。

敗退したら敗退したで、今回以上の批判が渦巻くのは目に見えています。

そもそも、W杯に6大会連続で出ているから日本は強い、なんていうのは都合のいい幻想です。

W杯に出られなくても、日本より強い国はごまんといます。

ベスト16のうち、欧州勢、中南米勢で日本以外の15枠が埋まっていることを考えても、敗退するのが当たり前の状況だった。

そんな中で日本は勝ち残った。

なぜか。

それは自分たちのサッカーをするなどというくだらないプライドを捨て、徹底的に相手を分析し、戦力を最大限に生かし、勝負に徹することができたからにほかなりません。

 

乗り越えるべきベルギーという壁は信じられないほど高い。

それでも、可能性は0じゃない。

コロンビア戦で証明してくれたじゃないか。

信じよう、サムライブルーの底力を。

新しい景色を、俺たちに見せてくれ!