GPファイナル 女子フリーまとめ
こんばんは、ch191です。
少し遅くなってしまいましたが、女子フリーのまとめです。
長くなりますので、男女を分けて書きます。
前回までと違い、今回は演技を見ています。
あんまり変わらないかもしれませんが、そこは大目に見ていただければ幸いです。
ではさっそく結果はこちら。(カッコ内はSP+FS)
1位 エリザベータ・トゥクタミシェワ ロシア 203.58(67.52+136.06)
2位 エレーナ・ラジオノワ ロシア 198.74(63.89+134.85)
3位 アシュリー・ワグナー 米国 189.50(60.24+129.26)
4位 アンナ・ポゴリラヤ ロシア 180.29(61.34+118.95)
5位 ユリア・リプニツカヤ ロシア 177.79(66.24+111.55)
6位 本郷理華 日本 176.13(61.10+115.03)
FSの詳細は以下の通りです。(丸数字はFSだけの順位、カッコ内はTES+PCS-減点)
トゥクタミシェワ ①136.06(70.90+65.16-0.00)
ラジオノワ ②134.85(70.90+63.95-0.00)
ワグナー ③129.26(65.18+64.08-0.00)
ポゴリラヤ ④118.95(62.34+57.61-1.00)
リプニツカヤ ⑥111.55(53.36+60.19-2.00)
本郷理華 ⑤115.03(60.14+54.89-0.00)
トゥクタミシェワがFSも1位で初優勝を飾りました。
最終滑走のプレッシャーをもろともせず、完璧な演技で自身初の200点台をたたきだしました。
あの落ち着きと大人っぽさを兼ね備えながら、まだ17歳というから驚きです。(でもよく考えるとロシア4人の中では最年長なんですよね)
GOEはトータルで全選手トップとなる10.54の加点をもらうなど、全てプラス評価。
中でも、SPでミスが出た3Lzは、冒頭の3Lz+2T+2LoでGOE+1.00、単独の3Lzは何とジャッジ全員が+2の評価でGOE+1.40(単独ジャンプでは全選手の全ジャンプ中最高評価)という高評価でした。
スピン・ステップも全てレベル4。
PCSも5項目中4項目で8点台。
彼女の魅力がたっぷり詰まった演技だったことが、この高評価につながったのでしょう。
昨シーズン、体型の変化に苦しみ、地元ロシアでのソチ五輪出場を逃すなど、苦労してきただけに、感慨もひとしおといったところでしょうか。
もともと能力の高い選手ですから、今後もっと国際舞台で活躍しそう、そんなことを予感させる見事な優勝でした。
2位に入ったのはラジオノワ。
こちらもGOEは全てプラス評価というすばらしい演技で、TESだけなら1位のトゥクタミシェワと同点。
しいて言えば3つ目の3Lz(GOE+0.20)で少し着氷が乱れたのがもったいなかったぐらい。
PBに迫る高得点でしたが、PCSは8点台が2項目で、少しトゥクタミシェワと差がつきました。
今季世界最高を出したエリックボンパール杯の時は全項目8点台でしたから、その時に比べると、後半に勢いが若干落ちたように見えたことが原因なのでしょうか。。。
とはいえまだ15歳。
会見で「もう若くない」と言ってたみたいですが、まだ十分若いです!
大きな国際大会で優勝する日も近いでしょう。
今後に大いに期待です。
3位に入ったのは唯一の20代であるワグナー。
5位予想にしてて(ゴールド入れてとはいえ)本当にごめんなさい。
本当にすばらしい演技でした。
もちろん、スピンでレベルの取りこぼしとか、3連続ジャンプが3Lo+1Lo+3S<になったりとかはありましたよ?
でも、それ以上にムーラン・ルージュの世界観を、大人の魅力あふれる演技で見事に表現していたことが印象に残りました。
今までの彼女自身の経験が、演技にも表れているのでしょう。
その証拠に、PCSの「曲の解釈」の項目では9.00を付けるジャッジもいるなど、全選手中トップの8.36という高い評価を受けています。
そして何よりすごいのが、今回の3位で、GPファイナルで3年連続表彰台に上がったことになるということ。
これだけ競争が激しいフィギュアスケートで、長く第一線で活躍するのは簡単なことではありません。
世代交代が進む中、もうベテランの領域と言っていいワグナーの活躍は、本当にすごい、それしか言えません。
今でも向上心を持ち続けていますし、ゴールドとともに、アメリカの女子フィギュア界を今後も引っ張って行く存在であり続けるでしょう。
まだまだ今後も活躍が見たい選手です。
4位のポゴリラヤは、ロステレコム杯の不調を引きずってしまった感じですかね。。。
というより演技終盤で明らかに動きがおかしかったですし、演技終了後も脇腹を押えてましたから、何かアクシデントがあったのでしょう。
本来、スピンやステップでも高い評価をもらえる選手ですから、得点発表後に頭を抱えてしまったように、本当に悔しかったんだと思います。
とはいえ、冒頭の3Lz+3Tでは最高評価+3を付けたジャッジもおり、GOE+1.50という高評価を受けるなど、随所にすばらしい要素がありました。
そして、彼女もまだ16歳と若いです。
体調をしっかり整えて、昨シーズンの世界選手権のような演技がまたできるように、そして来年またGPファイナルの舞台に帰ってきてほしいですね。
リプニツカヤは、今シーズンのFSの不調がそのまま出てしまい、FSは最下位で5位に沈みました。
冒頭の3Lz+3TはGOE+1.50というすばらしい出来栄えだったのですが、次の2Aからの3連続ジャンプでは2A<となりまさかの転倒。
後半でも2回飛んだ3Fがいずれも抜けてしまい、1回は転倒してしまうなど、ジャンプに精彩を欠きました。
やはり16歳あたりは身長や体型の変化に苦しむ時期なのでしょうか。。。
それでも代名詞のスピンでは全てレベル4の上、レイバックスピンではジャッジ9人中7人が、足換えコンビネーションスピンでは9人中8人が最高評価。
ジャンプが決まるとTESが一番出るのは間違いなく彼女ですから、どこかできっかけをつかめるでしょうか。
そして本郷です。
もちろん回転不足とかLzのエッジエラーとか、GOE加点が少ないとか、PCSがまだまだ低いとか、課題はいろいろあるでしょう。
結果は6位でしたが、上位に水をあけられたわけではありませんし、PBに近い演技ができているわけですから立派です。
上位陣が出場しておらず、ポゴリラヤの不調があったとはいえPBでロステレコム杯を優勝し、ゴールド欠場の繰り上がりとはいえGPファイナルに出場し、本場スペインの地でカルメンをしっかり演じ切ったわけです。
そして、あれだけの手拍子をもらえたことは、彼女にとって何よりの自信になったはずです。
シニア1年目にして、何ものにも代えがたい経験ができたわけです。
やはり彼女は何か”持っている”と思わずにはいられないでしょう。
それも、大舞台で力を発揮できる、強い精神力を持っているからに他なりません。
次の全日本フィギュアでも、きっと魅せてくれるはずです。
ということで、1位2位の予想が当たっていたので少しびっくりしましたが、今の調子、実力、経験を考えると、今回のGPファイナルは妥当な順位だったのかなという気もします。
ロシア勢はジュニアも含めてかなり層が厚いので、世界選手権に誰が出てくるのか読めないという感じですが、誰が出てきても優勝が狙えるレベルにあるのは間違いないでしょう。
国内に目を移すと、こちらも力が拮抗しており、誰が世界選手権の代表になるのか予想が難しいです。
順当にいけば本郷・宮原・村上になりそうですが、果たして。。。
個人的には、13歳の樋口新葉がお姉さん達を相手にどこまで上位に来るか、というのがすごく楽しみです。
今回のジュニアGPファイナルのような演技ができれば、間違いなく表彰台争いに絡んでくるでしょう。
以上、女子フリーまとめでした。
長文失礼いたしました。