いろいろな試算を少し本格的にやってみる。

気の向くまま、いろいろな試算をします。(ゆる~くではなくなってきたのでタイトルを変えました) 基本的にスポーツは何でも見ます。競技によっては人並み以上に知識もあります。 少しでも需要があればいいかなと思いますので、批判も含めたご意見・ご感想をお待ちしています。

GPファイナル 男子フリーまとめ

こんばんは、ch191です。

前回の女子フリーに引き続き、男子フリーをまとめてみたいと思います。

さっそくですが、結果からです。(カッコ内はSP+FS)

1位 羽生結弦          日本   288.16(94.08+194.08)

2位 ハビエル・フェルナンデス  スペイン 253.90(79.18+174.72)

3位 セルゲイ・ボロノフ     ロシア  244.53(84.48+160.05)

4位 マキシム・コフトン     ロシア  242.27(87.02+155.25)

5位 無良崇人          日本   235.37(78.35+157.02)

6位 町田樹           日本   216.13(87.82+128.31)

FSの詳細は以下の通りです。(丸数字はFSだけの順位、カッコ内はTES+PCS-減点)

羽生結弦    ①194.08(103.30+91.78-1.00)

フェルナンデス ②174.72( 87.50+87.22-0.00)

ボロノフ    ③160.05( 83.05+77.00-0.00)

コフトン    ⑤155.25( 76.35+78.90-0.00)

無良崇人    ④157.02( 80.76+76.26-0.00)

町田樹     ⑥128.31( 56.23+75.08-3.00)

羽生が2位フェルナンデスに34.26もの差をつける圧勝で、日本人初のGPファイナル連覇達成です。

中国杯の目を覆いたくなるようなあの事故から、こんな結果を誰が予想できたでしょうか。

しかもFSは転倒がありながらPBを更新するという離れ業。

おそらくですが、ISU公式大会ではFSのTES103.30というのは世界歴代最高点だと思います。

3Lz<がなければ基礎点だけで何と90.02だったというから驚異的です。

まず、4Sと4Tがあそこまでクリーンに揃ったのは国際大会では初めてじゃないでしょうか?

4Sは9人中4人、4Tは9人中6人が最高評価を付け、この2つのジャンプだけで25.94点をマーク。

さらに、後半の3A+3TでもGOE+2.29、3A+1Lo+3Sでも+2.14というすばらしい出来で、なんと2つ合わせて32.81点という驚異的な数字を叩き出しました。

3Lz転倒でGOE-2.10がありながら、合計では+15.26という、まさに加点祭り。

そして、彼本来の力強く、かつしなやかなスケーティングが戻ったことで、PCSも4項目で9点台をマーク。

新たな強さを手に入れた羽生は、まさに「絶対王者」という称号が似合います。

それでも、まだまだ底が見えない。(演技後半の4回転をまだ封印していますし、そのうち4Loがプログラムに組み込まれる日も…?)

羽生の時代はしばらく続きそうです。

フェルナンデスはSP5位から逆転し、地元開催のGPファイナルで見事な銀メダルです。

GPファイナルでは3年ぶり2度目の表彰台となります。(3年前は3位)

4S+3Tが3S+2T、3Lz+2Tが1Lz+2Tになるミスがあり、基礎点が下がってしまったところはあるものの、GOEによる加点は合計+12.54。

4Tと4Sを決めたジャンプだけでなく、スピン・ステップもただ一人全てレベル4を獲得するなど、随所に彼らしさが出ていました。

地元の熱い声援を受けたフェルナンデスは、PCSでも高い評価を受け、中でも「曲の解釈」は9.04をマークしました。

羽生がすごすぎたので、少し陰に隠れてしまった感がありますが、素晴らしい演技だったことは間違いないです。

同じオーサー門下生として、4回転ジャンパーとして、世界選手権での再戦に向けて、完成度を上げてくることを期待しましょう。

ミキティともお幸せに(笑)

3位に入ったのは27歳のボロノフでした。

6位予想にしてて本当にごめんなさい。(この流れどっかで見たような…)

シニア参戦9年目にして、GPファイナル初出場ながら表彰台に登りました。

4Tは2本ともきれいに決まりませんでした(2本目は3Tに)が、その他の要素ではスピンで全てレベル4を獲得するなど、ベテランらしい落ち着いた演技で、着実に加点を重ねました。

加点幅は大きくないものの、冒頭の4T以外は全てプラス評価。

PCSはさほど伸びませんでしたが、大きなミスなく滑り切ったことがこの結果につながったんだと思います。

女子のワグナーもそうでしたが、ベテラン勢が頑張ってます。

残りの競技人生はさほど長くないかもしれませんが、若手に負けず、これからも活躍してほしいですね。

4位のコフトンはボロノフに逆転を許し、表彰台を逃しました。

特に痛かったのは冒頭の4Sが2Sになってしまったこと。(基礎点10.50→1.30)

これが決まっていれば間違いなく表彰台でした。

その後の4TではGOE+1.71という高い評価を受けましたが、その他のジャンプではあまり加点がもらえませんでした。

さらに、最後のスピンがレベル2になった上、基礎点が下げられてしまうなど、ジャンプ以外でも精彩を欠いた部分があり、そのせいか、PCSも伸びませんでした。

ただ、まだ6人中最年少の19歳です。

SP、FSのPBはそれぞれ高いものを持っていますから、まずは2つ揃えることがポイントになってきそうです。

今後に期待しましょう。

無良は初のGPファイナルの緊張からか、SP、FSともにミスが出て5位でした。

FSでは後半の3Loが1Loになるという大きなミス。(基礎点5.61x→0.55x)

さらに、3S+1Lo+2Sという3連続のコンビネーションが3S+1Lo«となり無理やり飛んだ3つめの1Sが認定されず、シークエンス扱いに(基礎点が80%になる上、1Loが0点扱いに。よって基礎点6.60x→3.70x)

また、スピンでも1つがレベル2になってしまうなど、本来の出来ではありませんでした。

それでもTESが80点台に乗ったのは、2回ずつ飛んだ4Tと3Aが全てクリーンに決まったからです。

特に単独の3Aはこれでもか!という高さでGOE+2.00、4つの要素だけでTESの6割以上にあたる49.70点をたたき出しました。

完璧な演技であればボロノフといい勝負だったと思うので、最初の3つのジャンプ(4T+3T、4T、3A)がよかっただけにもったいなかったなあと。

でも、この経験は彼にとって絶対糧になると思いますし、全日本に向けてしっかりと調整をし、世界選手権の切符を勝ち取ってほしいですね。

そして。。。

町田は信じられないような出来になってしまいました。(卒論に追われて寝不足だったためだそうですが)

冒頭の4Tで転倒、続く4T+3Tもコンビネーションにできず(繰り返しのため基礎点70%に)、3Aも1Aになるなど最悪の立ち上がり。

後半も3Loが3Lo<となり転倒、続く3Aも転倒。(この状態で後半の3Aに挑戦するだけでもすごい精神力ですが。。。)

それでも最後の3Lz(GOE+0.90)は、絶対に飛ぶという彼の強い意思が見えました。

単に演技を「見せる」のではなく、観客に「魅せる」ことへの意識が人一倍高いのでしょう。

だから手を抜けない。(大事な大会中でも卒論に手を抜かないように)

たとえコンディションが最悪でもやり切る。

めっちゃカッコ良かったです。

全日本では彼本来の「魅せる」演技が見られること、そして完成した「第九」が見られることをを祈りましょう。

というわけで、僕の浅い予想を羽生はいい意味で裏切ってくれました。

というか突き抜けました。

あのPCSが出る限りは、しばらく「絶対王者」として君臨し続けるでしょう。

進化を続ける若き王者は、今後、様々な「世界初」を見せてくれるのではないでしょうか。

彼の手にかかれば、不可能なんてないかもしれません。

さて、約1週間後には全日本選手権が控えます。

世界選手権代表3枠に入るのは誰になるのか。

羽生を除いた残り2枠の争いは結構し烈な気がします。

もちろん有力なのはGPファイナリストの無良・町田ですが、NHK杯優勝の村上、ジュニアGPファイナル優勝の宇野、実績十分の小塚と、誰が表彰台に乗ってもおかしくないメンバーが揃っています。

個人的には小塚の復活が見たいですが。。。

いい演技が見られることを期待したいですね。

以上、男子フリーまとめでした。

長文失礼いたしました。