いろいろな試算を少し本格的にやってみる。

気の向くまま、いろいろな試算をします。(ゆる~くではなくなってきたのでタイトルを変えました) 基本的にスポーツは何でも見ます。競技によっては人並み以上に知識もあります。 少しでも需要があればいいかなと思いますので、批判も含めたご意見・ご感想をお待ちしています。

四大陸選手権 女子SPまとめ

こんばんは、ch191です。

昨日の男子では好調な滑り出しを見せた日本勢。

今日は女子SPをまとめたいと思います。

そこまで演技を詳しく見れているわけではないので、やはり今日もデータからわかることを中心にまとめます。

まずは結果からどうぞ。

1位 宮原知子               日本      64.84

2位 グレイシー・ゴールド         米国      62.67

3位 本郷理華               日本      61.28

4位 ポリーナ・エドモンズ         米国      61.03

5位 李子君                中国      60.28

6位 アレイン・チャートランド       カナダ     58.50

7位 永井優香               日本      56.94

8位 ガブリエル・デールマン        カナダ     55.25

9位 サマンサ・シザリオ          米国      54.95

10位 パク・ソヨン             韓国      53.47

11位 キム・ヘジン             韓国      51.41

12位 カイラニ・クレイン          オーストラリア 47.91

13位 ベロニク・マレー           カナダ     42.92

14位 イサドラ・ウィリアムズ        ブラジル    42.68

15位 チェ・ソンジュ            韓国      42.16

16位 メリッサ・ブランハギ         フィリピン   41.67

17位 アリソン・クリスタル・ペルティケート フィリピン   41.63

18位 ブルックリー・ハン          オーストラリア 40.68

19位 レイナ・ハムイ            メキシコ    39.93

宮原がほぼ完璧な演技でPBを更新し、首位に立ちました。

全日本では回転不足をとられた冒頭の3Lz+3T、!がついた3Fをいずれも成功させ、全ての要素で加点を得ました。

特にスピンは全てレベル4を獲得し、最後のレイバックスピンは最高評価を3人つけるなど、+1.14という大きな加点をもらいました。

ただ、1つ1つの要素の加点幅がそこまで大きくなく、もっと点が出てもいいのにな、という感じは受けました。(それでもTESは全選手中トップですが)

PCSも7点台を揃えて、点数を伸ばしました。

昨年の四大陸ではフリーでPB(126.26)を出して逆転で2位に入りました。

それに近い、あるいは超えるような演技ができれば国際大会初の190点超え、そして優勝が見えてきます。

全日本の再現はなるでしょうか。

ゴールドはミスが出たものの2位。

冒頭の3Lz+3Tは3Tでバランスを崩して、リンクの壁に寄り掛かってしまいました。

さらに、2Aが1Aになってしまい無効要素に。(これだけで4点ほど落としています)

普段であれば考えられないようなミスですが、やはり試合勘が戻っておらず、まだ本調子ではないということでしょうかね。

ただ、スピン・ステップで全てレベル4を獲得してくるあたりはさすが。

ジャンプのミスをしっかりと補ってきました。(加点合計は宮原とほとんど変わらず)

PCSも7点台後半が3項目あり、唯一の30点超え。

今シーズンFSはまだ完ぺきな出来がありませんが、大きなミスなく滑れば優勝の可能性は高いです。

世界選手権に弾みを付けられるでしょうか。

本郷は全ての要素に加点がつく演技でPBをわずかに上回り、3位につけました。

特に冒頭の3T+3Tのコンビネーションは+1.00という大きな加点を得ました。

ただ、スピン・ステップではレベル4を1つしか獲得できず、思ったほどTESが伸びませんでした。

やはり緊張からか、いつもより滑っていないように感じました。

それでもPCSは4項目で7点台を揃え、GPファイナルのときから1点近く上がっています。

首位宮原とは3.56、2位ゴールドとは1.39という僅差です。

今シーズンの調子から言って、FSでも大きなミスをするとは考えにくいので、表彰台はもちろん、優勝の可能性もあります。

FSでは初の120点台、合計では180点台を出せるでしょうか。

エドモンズは今シーズン不調にあえいでいましたが、4位と好位置につけました。

180点台後半が出せる選手なので、この位置に来ることに違和感はありませんが、それにしても見事なカムバックです。

まだ16歳と若いですが、昨シーズンソチで9位、世界選手権でも8位に入った実績を考えると、大舞台で力を発揮できるタイプの選手といってもいいかもしれませんね。

3Fで!をとられた以外は、高難度の構成を見事に滑り切ったと言えます。

特に冒頭の3Lz+3Tは挑んだ選手の中で最も高い加点(+0.70)を得ました。

PCSでも7点前後を揃え、上位の選手とあまり離されませんでした。

トップとの差は3.81で、表彰台圏内まではわずかに0.25。

ミスがなければ表彰台はおろか、優勝も狙える位置です。

カギを握るのは後半のジャンプになりそうです。(全米選手権でも後半にミスが多発)

李子君も今シーズン不調でしたが、全ての要素で加点を得る演技を見せ、5位に入ってきました。

冒頭3F+3Tの予定が、3Fで詰まった着氷になり、3F+2Tになったのが唯一のミス。

ただ、無理やり3Tにして回転不足になったり転倒するよりはいいので、冷静な判断だったと言えます。

また、スピンは全てレベル4。

PCSも4項目で7点台をマークするなど、ゴールド、宮原に次ぐ3番目の高得点でした。

昨年の同大会で銅メダルを獲得し、180点台を出したこともある実力者。

上位との差は大きくないので、2年連続の表彰台も十分に狙えます。

チャートランドは冒頭の3Lz+3Tで3Tがアンダーローテーションになってしまった以外は演技をまとめて、6位につけました。

特にスピン・ステップでは全てレベル4を獲得。(オールレベル4はゴールドとチャートランドだけ)

PCSは上位選手に比べると劣りますが、高難度の構成なので、ジャンプが決まると怖い存在であることに間違いありません。

去年の四大陸ではFSで巻き返し、SPの15位から7位まで順位を上げました。

表彰台圏内までは3点足らずで、十分狙える位置につけたと言えるでしょう。

永井は最初の3T+3Tの2本目で着氷が乱れた以外はしっかりと要素をこなして、7位と上々のシニアデビューだと言えるでしょう。

特に代名詞の3Lzは+2を2人つけるなど、+0.80という高い加点を得ました。

ただ、スピン・ステップは全てレベル3となるなど、TESがもう一つ伸びませんでした。

また、PCSも上位選手に比べると少し物足らない印象です。

とはいえ3位とは5点以内の差につけており、シニアでも十分戦えることを証明してくれています。

今シーズンまだ完璧な出来がないFSでいい演技ができれば、上位に食い込む可能性は十分に秘めています。

カギを握るのは後半のジャンプになりそうです。

デールマンはジャンプで痛恨のミスがあり、8位とやや出遅れました。

3Lzが2Lzになってしまい、無効要素に(なんと7点前後損しています)

冒頭の3T+3Tでは+1.30という高い加点を得ていますし、スピン・ステップでも1つを除いて全てレベル4を獲得しており、加点合計は全選手中トップの+4.27でした。

PCSはもう一つ伸びていませんが、カナダ選手権ではチャートランドを抑えて優勝しており、伸び盛りの17歳です。

FSでPB(111.28)を大きく上回るような演技ができれば、上位進出も十分狙えます。

シザリオはジャンプで2つの回転不足をとられたことが響き、9位。

冒頭は3Lo+3Loという、出場選手中最高難度(基礎点10.20は3Lz+3Tの10.10より高い)のコンビネーションでしたが、2つ目がアンダーローテーション。

後半の3Fもアンダーローテーションとなり、ともにGOEでもマイナスになってしまいました。

PCSは6点台後半を揃えてきましたが、TESのマイナスをカバーするまでではありませんでした。

全米選手権ではFSで順位を11位から5位に上げています。

今大会でも順位を上げ、昨年の8位を上回れるでしょうか。

ということで、エドモンズと李子君が思ったより上に来た以外は、だいたい予想通りだったと言っていいのではないでしょうか。

事前の予想は以下の通りでした。

1.宮原

2.ゴールド

3.本郷

4.デールマン

5.チャートランド

6.永井

7.エドモンズ

8.シザリオ

上位3人は予想通り。

多少順位の違いこそありますが、上位の顔ぶれはだいたい合っていますよね。

ただ、思ったほど差がないというところで、FSの出来次第では大きく順位が変わる可能性があります。

見てる方としてはこういう展開の方が面白いですが、やっている選手たちは大変です。

そして注目の滑走順ですが、第3Gと最終Gだけ掲載しておきます。

第3G

10.チャートランド

11.パク・ソヨン

12.シザリオ

13.永井

14.デールマン

最終G

15.本郷

16.エドモンズ

17.宮原

18.李子君

19.ゴールド

流れを左右するのは、実はパク・ソヨンかもしれません。

SPでは3S+3Tの予定が3S+2Tに、そしてフライングキャメルスピンでは途中で回転が止まってしまうまさかのミスで無効要素と判定されてしまうなど10位でしたが、地元の大声援を受けて良い演技をすれば、会場の雰囲気が変わる可能性があります。

そして注目の最終Gですが、本郷は全日本と同じ1番滑走。

全日本では見事な演技で後の選手にプレッシャーをかけましたが、果たして今回はどうでしょうか。

エドモンズは先述の通り、後半のジャンプがカギ。

宮原は滑走順に左右されにくいとは思いますが、ゴールドの前に滑れるのは良いかもしれません。

完璧な演技でプレッシャーをかけたいです。

李子君はジャンプの不調を払拭できるか。

そして図ったようにゴールドが最終滑走。

NHK杯でも最終滑走で優勝を飾りました。

その再現なるでしょうか。

ということで、大混戦の女子シングル。

特に最終Gの5人は誰が勝ってもおかしくありません。

明日のFSを楽しみにしましょう。

そして一つ悲しいニュースが入ってきました。

女子フィギュアの文科省支援のランクが最高のAランクから最低のCランクに格下げされました。(ちなみに男子はAランクのまま)

これは2018年平昌オリンピックに向けての支援であり、3年前の現段階で判断するのは時期尚早のような気がします。

浅田のような世界で戦える選手を、3年後に向けて長い目で育成することが、現在の女子フィギュアでは最大の課題だと思うのですが、それに水を差すようなことをするのはどうなんでしょうか。

現に、宮原、本郷と新世代は少しずつ育ってきていますし、樋口や坂本といった次の世代も有望な選手がたくさんいるわけです。

用具代、衣装代はもちろん、海外遠征費用、コーチ代など、金銭面の負担が大きいこの競技で、強化費を減らされると一番困るのは選手だと思います。

かといって連盟がどこまでフォローしてくれるのかも不透明です。

こんなことでは次に続く選手が育たないどころか、フィギュアを始めようという子供が減ってしまいかねません。

何より問題なのは連盟の不透明な金の流れのような気もしますが。。。

それだけに、この四大陸選手権、続く世界選手権で結果が出れば、今回の決定に対する批判の声が高まるでしょうし、見直しされる可能性も0ではないはず。

そういった意味でも、日本人3選手には頑張ってもらいたいですね。