いろいろな試算を少し本格的にやってみる。

気の向くまま、いろいろな試算をします。(ゆる~くではなくなってきたのでタイトルを変えました) 基本的にスポーツは何でも見ます。競技によっては人並み以上に知識もあります。 少しでも需要があればいいかなと思いますので、批判も含めたご意見・ご感想をお待ちしています。

ジャパンオープン2015総括(今さら)

こんばんは。

当初、ジャパンオープンの記事を書くつもりはありませんでしたが、日本勢の出来があまりにも良かったため、書かずにはいられなくなった次第です。

とはいえこんな微妙なタイミングですが、それはご容赦を。。。

浅田選手は後述するとして、まず宇野・宮原の17歳コンビが見事な演技を見せてくれたことからいきましょう。

2人ともほぼミスのない演技で、かつ高い評価を受けました。

宇野選手は後半に4T+2Tを成功させ、TESが100点に迫った上、PCSも86.00。

ジャンプ・スピン・ステップの全てが素晴らしいのですが、個人的に彼の一番すごいところは修正能力の高さだと思っています。

ジャパンオープン前のシーズン初戦で、後半の体力切れを露呈していた(※シニアはジュニアより曲が30秒長い)のですが、ジャパンオープンでは先述のコンビネーションを含むすべてのジャンプを成功するなど、たった2週間で見事に修正しました。

また、4Tに関しては冒頭の1本目でやや着氷が乱れたものを、コンビネーションの2本目で、しかも後半に飛んで完璧に決めるという、試合の中での修正能力も目を見張るものがあります。

彼の出場するGPSの試合は強力なライバルが多いですが、シニア1年目でのGPF進出の可能性を十二分に感じさせる演技でした。

宮原選手はすべての要素にプラス加点が付き、TESを70点台に乗せました。

昨シーズン途中から回避していた3Lz+3Tを見事に決めるなど、より難度を上げたジャンプ構成を完璧にこなし(エッジエラーもなし)、スピン・ステップでもすべてレベル4という非の打ち所のない出来でした。

なので、もう少しPCSが評価されてもいいのではないかと思うぐらいでした。

今シーズンはまず、昨年出場を逃したGPF進出を狙います。

村上選手は、まだまだこれからといった感じでしょうか。

得意の4Sは2本とも着氷しましたが、3Aは2本ともうまく入らず、スピン・ステップでもレベルを取れなかったところが目立ちました。

年齢的にはもうベテランの領域ですが、まだまだ成長できる余地は十分あると思います。

四大陸の時のような素晴らしい演技ができるように、GPSに向けて上げていってほしいですね。

海外勢も触れると、復帰組(チャン、ソトニコワ)は復帰戦としてはまずまずといったところでしょうか。

とはいえ、スケーティングなどはさすがで、それはPCSの高さに表れていますし、楽しみな選手が帰ってきたことは間違いありません。

世界女王トゥクタミシェワは3Aに積極的にトライしましたが転倒(回転は足りていましたが。。。)

3-3のコンビネーションが+2Tになり、ジャンプ以外でまさかの転倒があるなど、本来の出来ではありませんでした。

とはいえまだシーズン初戦、今シーズンも無類の強さを見せることができるでしょうか。

世界王者フェルナンデスは3Aと後半の4Sでミスがありましたが、冒頭2種類の4回転はさすがの一言でした。

今シーズンも羽生らとトップ争いを繰り広げることは間違いありません。

女子のアメリカ勢はジャンプに精彩を欠き、揃って点数が伸びませんでした。

ワグナーは昨シーズンと同じプログラムをどこまで「深化」させられるか、ゴールドはコンディション調整がカギを握りそうです。

さて、ではいよいよ浅田選手について。

演技については私が言うまでもなく、予想をはるかに上回る素晴らしい出来でした。

ルッツのエッジもほぼ矯正されていたようですし、何より冒頭の3Aが軽々飛んでいるように見えました。

そして、演技を見て、彼女の言葉を聞いて、思っていた2つの疑問に対する答えが見えたような気がしました。

まず、休養は彼女にとってどのような効果をもたらすか。

間違いなく大きくプラスに働いたといえるでしょう。

代名詞の3Aは自信をもって飛んでいるように見えましたし、余裕さえ感じました。

3Lzも!がついたものの、常にエッジエラーがついていたころとは明らかに違うなと思いました。

また、「競技」とは違う側面でスケートと関わり、スケート以外のことを考える時間が増えたことで、スケートがやっぱり好きだということを再認識できたということが、表現面で大きな変化をもたらしたと思います。

まさに本人の目指している「大人の滑り」を体現できていたのではないでしょうか。

それは70点近くをたたき出したPCSにも表れています。

そして、復帰戦になぜジャパンオープンを選んだのか。

これは、日本選手権の予選が免除されるという単純な理由ではなく、「チーム戦」だからだと思いました。

宇野選手の演技に対するコメントで、「お母さんみたいな気分」と答えており、ここからも「余裕」があったことを感じさせます。

と同時に、個人戦でよく見られる「ピリピリ感」みたいなものがあまりないなぁとも感じました。

結果的に見ても、「仲間」がいて「チームのために」頑張れるというのは間違いなくプラスに働いたといえるでしょう。

ということで、本当の意味での「浅田真央第2章」が始まったと言えるのではないでしょうか。

若手の台頭が著しい中で、まさに「大人の滑り」を突き詰めて「自分を極めて」いくと、技術面ではもちろん、表現面でも誰にも届かない領域に到達してしまうのではないか、ということすら予感させる。

今度こそやり切った、と思えるところまでやって、その先に、結果として平昌の金メダルがあればいいなぁと思う次第です。

ということで、やはり今シーズンも日本勢の活躍に注目ですが、いよいよ今週末よりGPシリーズが開幕します。

仕事の都合で全戦は無理かもしれませんが、可能な限りGPファイナル進出争いを追っていきたいと思います。

第1戦から有力選手が多数出場しますので、レベルの高い争いを期待したいですね。

それでは。