GPSスケートアメリカ 男女シングルデータまとめ ※10/29ポイント表修正
GPシリーズ開幕戦、スケートアメリカのデータをまとめておきたいと思います。
まずは女子からいきましょう。
結果は以下の通り。(カッコ内はSP+FSの得点、その横の数字はSPとFSの順位)
1 エフゲーニャ・メドベデワ 206.01(70.92+135.09) SP1 FS2
2 グレイシー・ゴールド 202.80(65.39+137.41) SP2 FS1
3 宮原知子 188.07(65.12+122.95) SP3 FS3
4 エリザヴェート・トゥルシンバエワ 178.56(59.26+119.30) SP7 FS4
5 カレン・チェン 172.54(62.28+110.26) SP4 FS6
6 ユリア・リプニツカヤ 170.63(62.24+108.39) SP5 FS7
7 ニコル・ラジコワ 167.32(50.33+116.99) SP12 FS5
8 マライア・ベル 160.94(52.73+108.21) SP11 FS8
9 パク・ソヨン 159.66(53.78+105.88) SP10 FS9
10 今井遥 158.65(56.52+102.13) SP9 FS10
11 中塩美悠 153.29(57.01+ 96.28) SP8 FS11
12 アレイン・チャートランド 148.20(59.40+ 88.80) SP6 FS12
メドベデワがGPSデビュー戦でいきなり優勝です。
しかも200点を大きく超えてきました。
SPではジュニア時代同様、3つのジャンプを全て後半に持ってきて、スピン・ステップもレベル4。
FSも後半に5つのジャンプを集めて、2Aの転倒以外は素晴らしい出来でした。
彼女の代名詞といってもいい、片手を上げてのジャンプを軽々と決めます。
長い手足を生かした演技で、PCSもシニアデビューとは思えない点数をマークしてきました。
今後大崩れすることも考えにくそうなので、GPFはほぼ当確と言っていいかもしれません。
成長著しい15歳が、今シーズンの主役になりそうです。
ゴールドは地元で良い演技を見せて200点台をマークし、2位に入りました。
SPでは3Fが抜けて無効要素になってしまいましたが、FSは3Sが2Sになった以外完璧な演技を見せ、PBをマークしました。
ジャパンオープンからわずか3週間で修正してくるあたりはさすがで、不安視されていたけがの回復具合もFSを見る限り全く問題なさそうです。
そうなると、よっぽどのことがなければGPF進出は堅いと思います。(次戦でライバルとなりそうなのはトゥクタミシェワぐらいしかいない)
昨シーズンはGPF出場資格を持ちながらケガで出場を辞退しましたが、今度こそバルセロナの舞台に立つことはできるでしょうか。(GPFの会場は昨年と同じ)
宮原はジャンプにミスが出ましたが3位に入りました。
上位2人には水をあけられてしまいましたが、プロトコルを見ると本当に戦えるレベルに来ていることが分かります。
昨シーズン、ISU公認の大会ではPCS5項目で8点台を取ったことが1度もありませんでした。(ほぼ完ぺきだった国別対抗戦の時でも)
それが今大会ではFSで3項目、SPに至っては4項目で8点台をマークしたのです。
そう、ミスがあったにも関わらず。
ということはミスがなければPCSはさらに上がるのは間違いなく、世界トップクラスのTESが叩き出せる彼女の演技構成をもってすれば、上位2人に匹敵する点数が出せることを証明してくれました。(つまり200点台も十分可能)
SP、FSでともに回転不足+!だった3Fが気になるところですが、次戦(NHK杯)まで少し時間があるので持ち前の練習量で修正してくれることと、GPF進出を期待しましょう。
その他日本勢では今井が10位、中塩が11位という結果に。
今井は3Fと後半のジャンプのミスが目立ちました。
スピン・ステップでは高いレベルを取れているので、本当にジャンプだけなのですが。。。
年齢的には22歳とベテランの域に入ってきつつありますが、まだまだ頑張ってほしいです。
中塩はほろ苦いGPSデビューとなってしまいましたが、ハイレベルな戦いに身を置いて、いい経験ができたのではないかと思います。
また、SP冒頭の3T+3Tでは+1.40という高い評価を得ていますし、スピンでレベル4もとっています。
そういった評価を自信に変えて、全日本では昨年よりいい順位を目指してほしいですね。
その他で目立ったのは若手の台頭です。
4位のトゥルシンバエワは15歳、5位のチェンは16歳で、ともに今年がシニアデビュー。
確かにジュニア時代から実績はありますが、シニア1年目でいきなり結果を出すのは容易ではないと思います。
ですが、これを見るとジュニアとシニアの差がどんどん無くなってきていることを改めて感じさせられます。
次戦以降もどんなニューヒロインが誕生するか、注目していきたいと思います。
一方でリプニツカヤがまさかの6位でファイナルは絶望的。
見ているとどこかジャンプを飛ぶときに迷いがあるように感じます。
タイミングが合ってないように見えるので、シーズン終盤までに修正することができるでしょうか。
復活までの道のりはまだまだ険しそうですが、大人の女性になった彼女の良い演技を期待したいです。
では暫定のポイント表です。(☆は出場予定の試合です。初めてエクセルファイルを載せるのでちゃんと見えるか少し心配ですが。。。)
では続いて男子です。
結果は以下の通り。(カッコ内はSP+FSの得点、その横の数字はSPとFSの順位)
1 マックス・アーロン 258.95(86.67+172.28) SP1 FS2
2 宇野昌磨 257.43(80.78+176.65) SP4 FS1
3 ジェイソン・ブラウン 238.47(78.64+159.83) SP8 FS3
4 閻涵 236.03(86.53+149.50) SP2 FS5
5 コンスタンティン・メンショフ 230.79(86.15+144.64) SP3 FS6
6 アディアン・ピトキーエフ 230.75(79.90+150.85) SP5 FS4
7 ロス・マイナー 215.11(78.96+136.15) SP7 FS8
8 ブレンダン・ケリー 203.48(65.41+138.07) SP11 FS7
9 デニス・テン 201.52(79.02+122.50) SP6 FS11
10 無良崇人 200.83(71.66+129.17) SP10 FS9
11 フローラン・アモディオ 197.45(71.96+125.49) SP9 FS10
12 アレクセイ・ビチェンコ 171.83(50.68+121.15) SP12 FS12
地元のアーロンがGPS初優勝を飾りました。
失礼ですが、ほとんどアーロンが優勝すると思っていた人はいなかったのではないでしょうか。
とはいえ得意の4SをSPとFSで合計3本きっちりと決め、250点台に乗せたことは十分優勝に値する演技、スコアだったことは言うまでもありません。
次戦、これがフロックでないことを証明できればおのずとGPFが見えてきます。
宇野はGPSデビュー戦で堂々の2位表彰台です。
スコアもトータルで250点を超え、シニアでも十分通用することを改めて見せつけてくれました。
特にFSはまたも後半に4T+2Tを完ぺきに決め、ミスを最小限にとどめて1位でした。(PCSもブラウンに次ぐ高評価、FSは世界歴代9位!)
それだけにSPの4T転倒が残念でしたが、上々のシニアデビューと言えますし、GPFに向けても大きく前進しました。
優勝したアーロンとはエリック・ボンパール杯で再戦しますので、今度は勝ってほしいですね。
ブラウンはSP8位から巻き返して3位表彰台に入りました。
ジャンプにミスが目立ちましたが、スピンやステップ、持ち前の表現力で見事にカバーしました。(PCSはSP・FSとも全選手中トップ)
4Tを含めたジャンプが決まってくると本当に恐ろしい存在ですので、今後どこまで完成度を上げてこれるかに注目です。
もちろん、初のGPF進出の可能性も十分残っています。
さて、宇野と対照的だったのは無良。
まともに飛べたジャンプが数えるほどしかなく、10位に沈みました。
昨シーズン途中から本当にどうしてしまったのでしょうか。
ただどうやらけがの影響があったようで、見た目にもスケーティングに勢いがないように見えました。
次戦での巻き返しに期待したいですね。
そしてさらに衝撃だったのはテン。
いくらシーズン終盤にピークを合わせているといっても、悪すぎるの一言です。
特にFSは転倒が3回あった上に、1つもコンビネーションにできませんでした。
演技後に腰のあたりを押さえていたのも少し気になります。(単なる転倒の影響ならいいのですが。。。)
次戦までにある程度修正して来ないと、さすがにまずい気がします。
ということで暫定のポイント表です。
2戦目ではいよいよ、羽生結弦とパトリック・チャンの2人がソチ五輪以来の直接対決。
昨シーズン大躍進を果たした村上大介も登場。
川原星はシリーズデビュー戦となります。
女子では復活を期す村上佳菜子、シリーズデビューとなる永井優香が登場。
世界女王トゥクタミシェワ、GPF銅メダリストワグナー、四大陸女王エドモンズら強力な海外勢に挑みます。
男女ともに日本勢の連続表彰台に期待しましょう!