GPSスケートカナダ 男女シングルデータまとめ
こんにちは、ch191です。
今さらながらGPシリーズ第2戦、スケートカナダのデータをまとめておきたいと思います。
まず、女子の結果から。(カッコ内はSP+FSの得点、その横の数字はSPとFSの順位)
1 アシュリー・ワグナー 202.52(70.73+131.79)SP1 FS2
2 エリザベータ・トゥクタミシェワ 188.99(55.37+133.62)SP7 FS1
3 永井優香 172.92(63.35+109.57)SP2 FS7
4 村上佳菜子 171.59(59.79+111.80)SP3 FS6
5 ガブリエル・デールマン 170.33(54.13+116.20)SP8 FS3
6 ポリーナ・エドモンズ 168.69(56.85+111.84)SP5 FS5
7 エリザベート・トゥルシンバエワ 165.16(49.84+115.32)SP12 FS4
8 アリーナ・レオノワ 160.37(52.08+108.29)SP10 FS8
9 ジョシ・ヘルゲション 155.70(56.26+ 99.44)SP6 FS10
10 ベロニク・マレー 151.85(52.17+ 99.68)SP9 FS9
11 ケイトリン・オズモンド 146.06(59.21+ 86.85)SP4 FS12
12 イザベル・オルソン 141.58(50.23+ 91.35)SP11 FS11
ワグナーがSPで自身初の70点台、FSでも自身初の130点台をたたき出し、合計200点台に乗せて圧勝。
GPS2年ぶりの優勝を飾りました。
現役選手屈指のPCSを誇るワグナーは、以前から200点超えは可能だと思っていましたが、ジャンプのミスを最小限に抑えたことでついに実現しました。(見た目上のミスはなく、回転不足+エッジ!のみ)
24歳、女子フィギュア選手としては大ベテランといってもいい彼女ですが、だからこそ出せる「味」があります。
若手の台頭が目立つ中で、浅田、来年復帰予定のコストナーらとともに、まだまだ女子フィギュア界を引っ張っていってほしいです。
現世界女王トゥクタミシェワはSPでまさかの出遅れも、FS1位と貫禄を見せて2位表彰台です。
SPではミスした3Lz、3T+3TをFSではきっちり修正して、冒頭の3A以外はほぼ完ぺきに滑り切りました(3Aも回転は足りていた)
ただ、PCSを見ると、TRが他4項目に比べて極端に低いのが気になります。(6.00や5.75という低い評価をしたジャッジも)
ステップでもSP、FSともにレベル2止まりで、素人目にも動きにキレがないように思えました。(昨シーズン試合過多だった影響でしょうか…)
構成要素的に見ても、3Aが決まらないと昨シーズンからの上積みはほぼないに等しく、今シーズンも彼女を中心に、とはならないような気がします。
次戦の出来が注目されます。
そして、永井がGPSデビュー戦で見事3位表彰台に入りました。
メディアは予想外の結果に沸いていますが、僕自身はこの結果にさほど驚きはありませんでした。
ジャンプの精度が上がれば、本郷や宮原より上に行けるような素質の持ち主だと思っているからです。
FS冒頭の3Lz+3Tではなんと+1.30という驚異的な加点をもらっています。
また、PCSでもシニアデビューの年ということを考えると、すでにある程度の評価を得ていると言っていいと思います。
次戦ではジャンプを修正し、トータル180点に乗せることができれば、2戦連続の表彰台、そしてGPFの可能性も見えてきます。
村上佳菜子は表彰台まであとわずかの4位でした。
昨シーズンは日本勢最年長となり、自分が引っ張っていかなきゃという気持ちが彼女にとって大きな足かせとなっていました。
しかし、浅田が復帰したことで、その重責から解き放たれ、良い時の村上選手に戻りつつあると思います。
彼女の長所である「明るさ」「思い切りの良さ」というのが演技から、そしてポジティブなコメントからも読み取れたからです。
ショートカットにしたのも、やっぱりよかったんだなと思えます。
やはり彼女は天真爛漫な「妹キャラ」が似合います。(いい意味で、ですよ!)
次戦に期待の持てる結果だったと思います。
その他の選手にも触れたいのですが(エドモンズどうした、とか)ポイント表に行ってしまいたいと思います。
では、男子に移りましょう。
結果はこちら。(カッコ内はSP+FSの得点、その横の数字はSPとFSの順位)
1 パトリック・チャン 271.14(80.81+190.33)SP2 FS1
2 羽生結弦 259.54(73.25+186.29)SP6 FS2
3 村上大介 252.25(80.88+171.37)SP1 FS3
4 アダム・リッポン 239.69(80.36+159.33)SP3 FS5
5 ナム・グエン 238.82(76.10+162.72)SP4 FS4
6 アレクサンドル・ペトロフ 221.02(71.44+149.58)SP7 FS7
7 ティモシー・ドレンスキー 219.06(62.46+156.60)SP11 FS6
8 ミハル・ブレジナ 218.58(75.46+143.12)SP5 FS8
9 キム・ジンソ 195.84(68.64+127.20)SP8 FS10
10 川原星 195.21(67.36+127.85)SP9 FS9
11 キーガン・メッシング 182.25(67.13+115.12)SP10 FS11
12 イ・ジュンヒョン 152.05(47.19+104.86)SP12 FS12
チャンがFSで圧巻の滑りを見せて、GPS復帰戦で優勝を飾りました。
SPでミスがあった3A、3LzをFSで完璧に修正するなど、すでにコンディションは上がっているようです。
驚いたのはGOE加点の多さと、PCSの高さです。
彼のスケーティング技術の高さをもってすれば説明はつくのですが、復帰戦でここまで出るか、というのが正直なところでした。(若干地元補正?)
ともあれ素晴らしい選手が、ほぼ最高の状態で戻ってきてくれたことは、間違いなく歓迎すべきことでしょう。
また羽生との激しいトップ争いを繰り広げてくれそうです。
そしてその羽生はFSで巻き返して2位。
結果的に見ればSPでノーカウントにならなければ、と思ってしまいますが、FSで4回転3本を全て飛びきるあたりはさすがです。
細かく見ると、ジャンプの着氷がいつもより詰まってしまい、GOEも抑えられ気味、PCSも彼にしては低めに出ました。(それでも9点台2項目ですが。。。)
ただまだシーズン序盤、これから詰めていけば十分FS200点台、トータル300点台も視野に入ってくるでしょう。
GPファイナルでチャンと再戦し、リベンジを果たして史上初の3連覇。。。期待してしまいますね。
村上大介はPBに迫る250点超えの得点をマークして3位表彰台です。
ジャパンオープンの演技を見て、大丈夫かなぁと思いましたが、短期間で見事に修正してきました。
SPでミスのあった4SをFSでは2本とも完璧に降りるなど、羽生、チャンがいなければ優勝してもおかしくないような出来でした。
構成要素的に、さらに伸ばせる余地があるように思いますし、次戦の結果次第では十分GPF進出の可能性もあります。
無良や小塚が不調の今、日本の2番手を争うのは、やはり村上と宇野と言っていいでしょう。
この2人に加え、チャン、テン、昨年GPファイナリストのコフトン、1戦目優勝のアーロンも参戦する第4戦は激戦必至です。
その他はほぼ順当と言っていいような気がします。
繰り上がりで急きょGPSデビュー戦となった川原は10位という結果に。
それでも、世界トップレベルを体感できたことは、彼にとって非常に大きな経験になったことでしょう。
当面の目標は3年ぶりとなる全日本選手権出場、ということになるでしょうか。
では男子のポイント表です。
そして、きょう開幕する第3戦中国杯では、いよいよ浅田真央がGPS復帰戦となります。
世界最高難度の構成で挑むSPから注目です。
さらに昨シーズン大躍進を果たした本郷も登場。
鈴木明子さん振付のSPを引っ提げて挑む今シーズンは、特に表現面でどのような進化を見せてくれるかに注目です。
その2人に立ちはだかるのはラジオノワとポゴリラヤのロシア勢。
地元中国の李子君も表彰台を狙います。
男子では日本勢の出場がないのが寂しいところですが、現世界王者フェルナンデスが登場。
自身初となるGPファイナル優勝に向けて、いいスタートを切りたいところ。
対抗馬は昨年GPファイナル銅メダリストのボロノフと地元中国の閻涵。
閻涵は優勝すればGPファイナル進出の可能性がぐっと高まります。
また、ジュニア時代、宇野としのぎを削ってきた金博洋がシニアデビュー。
3種類の4回転を持つ彼が、どんな構成で来るのかも注目されます。
すでに中盤戦を迎えるGPシリーズ。
日本勢のさらなる活躍に期待するとともに、熾烈なGPファイナル進出争いにも注目していきましょう。