いろいろな試算を少し本格的にやってみる。

気の向くまま、いろいろな試算をします。(ゆる~くではなくなってきたのでタイトルを変えました) 基本的にスポーツは何でも見ます。競技によっては人並み以上に知識もあります。 少しでも需要があればいいかなと思いますので、批判も含めたご意見・ご感想をお待ちしています。

GPS中国杯 男女シングルデータまとめ

こんばんは、ch191です。

GPシリーズ第3戦、中国杯のデータをまとめておきたいと思います。(感想を交えすぎるとキリがないのでデータ的観点を中心に書きます)

まず、女子の結果から。(カッコ内はSP+FSの得点、その横の数字はSPとFSの順位)

1 浅田真央       197.48(71.73+125.75)SP1  FS3

2 本郷理華       195.76(65.79+129.97)SP2  FS1

3 エレーナ・ラジオノワ 184.28(58.51+125.77)SP6  FS2

4 アンナ・ポゴリラヤ  184.16(61.47+122.69)SP4  FS4

5 カレン・チェン    175.93(58.30+117.63)SP7  FS5

6 コートニー・ヒックス 166.00(62.38+103.62)SP3  FS8

7 ニコル・ラジコワ   165.16(54.76+110.50)SP9  FS7

8 パク・ソヨン     164.28(52.47+111.81)SP10 FS6

9 李子君        159.13(58.62+100.51)SP5  FS9

10 ハンナ・ミラー    151.73(55.25+ 96.48)SP8  FS10

11 趙子セン       139.77(48.66+ 91.11)SP11 FS11

12 鄭路         130.32(47.23+ 83.09)SP12 FS12

浅田が復帰戦で見事に優勝を飾り、順調なスタートを切りました。

もちろん、SP、FSともに課題はまだあるとはいえ、休養明けでいきなり200点近いスコアを出してくるあたりは、本当にすごいとしか言いようがありません。(FSのLate Startはご愛嬌)

FSの3Aは+1.86という驚異的な加点がつくなど、クリーンに決まったジャンプは以前よりも高い評価を得ています。

ジャンプ以外の要素も、世界一と称されるステップをはじめ、大きな加点が付いています。

また、注目すべきはPCSの高さで、ほぼすべての項目で8点台後半をマークしており、特にINで高い評価を得ました。(FSではINが8.92)

これはソチ五輪シーズンの初戦とほぼ同じ水準です。(単純比較はできませんが。。。)

次戦NHK杯までの3週間でどこまで完成度を上げてくるのか、楽しみでたまりません。

そして本郷がPBを大きく更新する素晴らしい演技で2位となり、日本勢ワンツーを実現してくれました。

大きく飛躍するとともに、世界との差を痛感した昨シーズン。

そこで今シーズンは、ジャンプの構成難度を上げるとともに、鈴木明子さん振付のSPをはじめ、曲を「表現」することに精力を傾けました。

TESの面では、基礎点の上昇はもちろん、GOEでも昨シーズンより大きな加点がもらえるようになっています。

そして何よりPCSが急激に伸びています。

昨シーズンのベストだった世界選手権時と1項目の平均値で比較すると、SPで6.87→7.53(+0.66)、FSで7.57→8.16(+0.59)と格段に上がっています。(FSでは昨シーズン一度もなかった8点台が4項目も!)

特にINはFSで7.61→8.36になっており、これはラジオノワやポゴリラヤを上回っています。(9点台をつけたジャッジも2人!)

手足の長さを本当の意味で「武器」とする演技ができていて、間違いなく世界の強豪と肩を並べるレベルに到達したと言えるでしょう。

次戦ロシア杯も強豪ぞろいですが、今年こそGPFを自力で勝ち取ってもらいましょう。

ロシアの2人は3位と4位という結果に。

FSでの巻き返しはさすがですが、やはり体の変化にまだ適応できていない感じがかなりしました。

ラジオノワは次戦本郷やメドベデワ、ポゴリラヤは次戦浅田や宮原を上回らないとファイナル進出が厳しいという状況です。

今年はやはり、昨年のようにロシア勢が席巻!とはならない可能性が高くなってきたようです。

それ以下では、今年シニアデビューのカレン・チェンがスケートアメリカに続き5位と健闘。

ジャンプの精度はまだまだですが、スピン・ステップは1つを除きすべてレベル4を獲得しており、PCSでもシニアデ1年目としては高い評価を受けています。

エドモンズとともに、アメリカの次世代を担っていきそうです。

今回はポイント表を別記事で掲載したいと思いますので、男子に移っていきたいと思います。

結果はこちら。(カッコ内はSP+FSの得点、その横の数字はSPとFSの順位)

1 ハビエル・フェルナンデス       270.55(93.19+177.36)SP1  FS1

2 金博洋                261.23(90.05+171.18)SP2  FS2

3 閻涵                 230.33(73.97+156.36)SP6  FS3

4 グラント・ホッホスタイン       222.74(74.27+148.47)SP5  FS4

5 セルゲイ・ボロノフ          222.17(80.99+141.18)SP3  FS8

6 マイケル・クリスチャン・マルティネス 220.36(72.24+148.12)SP7  FS5

7 リチャード・ドーンブッシュ      217.26(70.21+147.05)SP8  FS7

8 ミーシャ・ジー            217.17(69.13+148.04)SP5  FS8

9 宋楠                 212.10(76.46+135.64)SP4  FS9

10 イヴァン・リギーニ          200.98(68.98+132.00)SP10 FS11

11 エラッジ・バルデ           199.41(64.68+134.73)SP12 FS10

12 モリス・クビテラシビリ        192.10(66.92+125.18)SP11 FS12

世界王者フェルナンデスが貫禄の滑りで優勝を飾りました。

得意とする4Sが1本もきれいに入らなかったのは今後の課題となるでしょうが、きれいに決まった4Tや3Aは2点以上の大きな加点がついていました。

また、スピンやステップでも高い評価を受け、PCSでも9点台を連発するなど、他の追随を許しませんでした。

これでGPF進出はほぼ確実、自身初のGPF制覇となるでしょうか。

そして金博洋は、衝撃のシニアデビュー戦で2位表彰台。

SP、FSで計6回の4回転に挑んできました。

結果、しっかり着氷できたのは一番難しいはずの4Lz2本だけでしたが、すべて4回転として認定はされています。

基礎点はSPで50点超え、FSは驚異の102.70。

PCSは7点台前半が多く、粗削りな感じが否めませんが、それを補って余りあるTES。

羽生と直接対決となるNHK杯では、どんな4回転の競演を見せてくれるのでしょうか。

閻涵はFSをまとめて逆転での3位表彰台。

金博洋との地元勢ダブル表彰台を果たしました。

ただ、彼の本来の力からすると、まだまだ上がってきていない感じです。

金博洋と対照的に、彼はスケーティングで魅せる演技ができる選手ですから、来年の世界選手権に向けて完成度を上げていってもらいたいところです。

その他では、昨年のGPファイナリスト、ボロノフが5位。

得点源の4Tが入らず、ほかのジャンプでも取りこぼしが目立ちました。

昨シーズン終盤に負ったけががまだ完治していないのでしょうか。。。

28歳とベテランですが、まだまだ頑張ってほしい選手です。

ということで、女子は日本にとって最高の結果に、男子は王者の貫禄と金博洋の衝撃があった中国杯

GPシリーズも前半戦が終わり、ファイナル進出を占う後半戦が始まります。

こちらの争いは先述したとおり、別記事で掲載したいと思いますので、もしよろしければそちらもご覧ください!