錦織の成績とレースランキング考察(ローマMS終了時)
こんばんは、ch191です。
主にフィギュアスケートの記事を書いておりますが、同じぐらいテニスが好きでして、皆さんの書かれる素晴らしい記事に触発されて、思い立った次第です。
今回は錦織の成績と、レースランキングについて書いてみたいと思います。
表のところで見づらいところがあるかもしれませんが、ご了承ください。
2016年の錦織はここまでGS・MSで全てQF以上の成績を残しており、好調であることは間違いないでしょう。
では具体的に昨年と比較するとどうなるでしょうか。
レースポイントという観点で簡単にまとめてみました。(カッコ内は獲得ポイント)
GS 360pt(昨年比±0)
全豪 QF(360)⇒QF(360)→
全仏 QF(360)⇒?
MS 1500pt(昨年比+690)
インディアンウェルズ R16(90)⇒QF(180)↑ + 90
マイアミ QF(180)⇒F (600)↑ +420
マドリード SF(360)⇒SF(360)→
ローマ QF(180)⇒SF(360)↑ +180
500 345pt(昨年比ー455)
アカプルコ F (300)⇒R16(45)↓ -255
バルセロナ W (500)⇒F (300)↓ -200
250 295pt(昨年比ー45)
ブリスベン SF(90)⇒QF(45) ↓ - 45
メンフィス W(250)⇒W(250) →
ということで、ローマMS終了時のレースポイントは昨年が2390pt(デビスカップの80ptを含む)、今年は2500ptで、実はそれほど差がないことが分かります。
しかし、Mandatory(強制加算、GS4大会とモンテカルロを除くMS8大会)の獲得ポイントは1170pt⇒1860ptと1.5倍以上となっているのです。
この点を、ローマMS終了時のレースランキングと照らし合わせてみると以下のようになります。(カッコ内は全体のポイントに占めるMandatoryの割合)
2015/5/18付レースランキング(Top10) 2016/5/16付レースランキング(Top10)
Mandatory Mandatory
1.ジョコビッチ 6385 5000(78.3%) 1.ジョコビッチ 5950 5600(94.1%)
2.マレー 3760 3250(86.4%) 2.マレー 3525 2890(82.0%)
3.ベルディヒ 3030 1800(59.4%) 3.ナダル 2840 920(32.4%)
4.フェレール 2555 945(36.9%) 4.錦織 2500 1860(74.4%)
5.フェデラー 2465 1300(52.7%) 5.ラオニッチ 2155 1725(80.0%)
6.錦織 2390 1170(49.0%) 6.ティエム 1720 460(26.7%)
7.ナダル 2200 1365(62.0%) 7.モンフィス 1675 775(46.3%)
8.ワウリンカ 2185 1225(56.0%) 8.ゴフィン 1365 1090(79.9%)
9.ラオニッチ 1540 990(64.3%) 9.ワウリンカ 1355 380(28.0%)
10.モンフィス 1075 180(16.7%) 10.バウティスタ=アグ 1265 450(35.6%)
錦織のMandatoryの割合は49.0%⇒74.4%と急激に上がっています。
もちろん、昨年に比べて500・250の大会で稼げていないという見方もできるでしょうが、それを補って余りあるMandatoryの成績です。
Mandatoryの重要性を確認するため、昨年ツアーファイナルズに進出した8人の最終のレースランキングを示します。
Mandatory
1.ジョコビッチ 15285 13400(87.7%)
2.マレー 8470 7190(84.9%)
3.フェデラー 7340 5160(70.3%)
4.ワウリンカ 6500 5035(77.5%)
5.ナダル 4630 2670(57.7%)
6.ベルディヒ 4620 2890(62.6%)
7.フェレール 4305 1765(41.0%)
8.錦織 4035 2125(52.7%)
総じて、ランキングが高いほどMandatoryの割合も高くなっていることが分かります。
Top8に入るためにはMandatoryで2000pt前後は稼いでおきたいところでしょうか。(QFとR16半々で2160pt)
Top4ならMandatoryで4000pt以上、割合にして70%は超えておきたいところです。(SFとQF半々で4320pt)
錦織は今のペースでいけば両方ともクリアすることになり、ランキング4位以上で終えられる可能性が高いです。
Mandatoryの割合という観点で見ると、ラオニッチやゴフィンは70%を超えており、ケガによる離脱がなければファイナルズに残る可能性は十分にあるとみていいでしょう。
モンフィスはもう少しMandatoryの割合が上がって来ないと厳しいかもしれません。(むしろ怪我が心配?)
ナダルは割合が低いですが、モンテカルロの1000ptがあるためなので問題はないと思います。
ワウリンカは昨年のように、全仏から上げていかないと危ない気がします。
今季好調のティエム、バウティスタ=アグはMandatoryでそこまで結果が残せておらず、このままではMandatoryでもまずまず結果を残している11位のキリオス(730pt、58.4%)、15位のツォンガ(495pt、50.0%)、ファイナルズ常連の12位ベルディヒ(900pt、76.3%)、13位フェデラー(810pt、71.1%)、18位フェレール(585pt、65.0%)が控えていますので、厳しいと言わざるを得ません。(カッコ内はMandatoryのポイント、割合)
ただ、昨年よりボーダーライン上の争いが混沌としているのは、比べてみると明らかです。
11月にはどういう結末を迎えるでしょうか。。。
さあ、来週からGS2戦目、全仏オープンの本戦が始まります。
大きくレースランキングが動くことは間違いなく、誰がジャンプアップするのか楽しみなところです。
そして、年間ランキングではよっぽどのことがない(錦織orワウリンカが優勝かつナダルがSF以下)限り、全仏後には約1年ぶりに上位4人がBIG4となります。
そのよっぽどのことを錦織が起こしてほしいという気持ちですが、もしそれがかなわなかったとしても、いずれその牙城を錦織が崩すことを信じて疑いません。(ランキングでも、直接対決でも)
今でもレースランキングは4位なわけですから。
まずは、キャリアハイとなる3位に、今年中にどこかで到達することを期待したいです。
とはいえ今は全仏です。
ナダルが史上初、同一GS10度目の戴冠となるのか。
ワウリンカがナダル以外では22年ぶりとなる全仏連覇を果たすのか。
マレーがキャリアグランドスラムに王手をかけるのか。
フェデラーが自らのGS優勝記録を18に伸ばすのか。
それとも、新たなGSチャンピオンが誕生するのか。(その筆頭候補は間違いなく錦織)
熱戦を期待しましょう。