いろいろな試算を少し本格的にやってみる。

気の向くまま、いろいろな試算をします。(ゆる~くではなくなってきたのでタイトルを変えました) 基本的にスポーツは何でも見ます。競技によっては人並み以上に知識もあります。 少しでも需要があればいいかなと思いますので、批判も含めたご意見・ご感想をお待ちしています。

レースランキング(2016/11/7)他、ランキングデータまとめ

こんにちは、ch191です。

今回はレースランキング、後半戦ランキング、MSランキングの3本立てでお送りしたいと思います。

その中にファイナルの話題も散りばめながらいきたいと思います。

いつも以上に長文となりますので、体力に自信のある方は最後までお付き合いください。

まずは、ファイナル進出者が決定したレースランキングについて。

それでは早速、11/7付のレースランキングです。(point change、rank chnageとも10/31時点からの変動)

残り2枚の切符をつかんだのはやはりチリッチとティエムでした。

チリッチはバーゼル(W)、パリ(SF)の2大会で860ptを荒稼ぎし、ナダルまで抜いてキャリアハイの7位まで上がりました。

前半戦終了時にはなんと29位に沈んでいたチリッチでしたが、後述の後半戦だけのランキングでは5位と驚異の爆発力を見せました。

ファイナルでも非常に怖い存在だと言えます。

そしてティエムは全米後ケガに苦しみ、わずか10ptしか稼げませんでしたが、前半戦の貯金を生かして逃げ切ったという格好です。

23歳1か月でのファイナル進出は2009年のデルポトロ(21歳1か月)以来の年少記録となるので快挙であることに違いはないのですが、パリでのプレーを見る限り本調子には程遠く、ファイナルに出られるかどうかも微妙な感じがします。

それは別として、ティエムにとって来年は真価が問われる年になります。

2年前ファイナルに初めて出場した錦織が、昨年苦しんだように、上位選手に研究され、下位選手からは追われる立場になるからです。

今年の出場試合数では終盤失速することを身を持って知ったと思うので、試合数を調整しつつ、いかにMS以上の大きな大会で今年以上の成績を残していけるかがポイントです。

まずは大量失効が控える来年の前半戦で、上位シードをキープできるかが課題となりそうです。

ベルディヒはパリでQFまで進み、あと1勝まで迫りましたが、マレーに惜敗して7年連続のファイナルを逃しました。

終盤戦、東京からの3大会連続で初戦敗退に終わったことが結果的に大きく響きました。

ただラオニッチ、モンフィス、ティエムの3人がコンディション不良という状況なので、「~に代わりまして空気」…あると思ったのですが、補欠に入ることを拒否したとのこと。

おそらく盲腸が完治していないためだと思いますが、個人的には6年連続ファイナリストとしてのプライドの表れと取っておきます。

ゴフィンはR16でチリッチとの直接対決に敗れ、初のファイナルはならず。

トップ10入りも来年に持ち越しとなりました。

前半戦8位で折り返したゴフィンでしたが、中盤戦での失速が響き、追い上げ届かずという感じです。

ただ、私がTop8の目安としたMandatoryで年間2000pt以上稼いだことは大いに評価できると思いますし、飛躍のシーズンだったといえます。

東京で準優勝を果たしたように、Non-Mandatoryの大会で取りこぼしを減らし、ポイントの底上げを図ることができれば、来年早い段階でのTop10入り、そして初のファイナルが見えてくるはずです。

また、今年も補欠1番手に回ったことで、代打で出られる可能性は大いにありますし、もし出られたら、来季は8位以内で出るんだ、というモチベーションにしてもらいたいと思います。

大いに期待したいところです。

さて、ファイナル進出ラインの話はこれぐらいにして、今大会はやはりなんといってもマレー悲願の1位奪取でしょう。

しかも、パリMS初優勝で快挙に華を添えました。

122週続いたジョコビッチ政権がこんなに早く終わるとはだれが予想できたでしょうか。

ただ、後述する後半戦だけのランキングを見れば、その差は歴然としています。

地元イギリスでの開催ながら、過去SFが最高と鬼門ともいえるファイナルは、考えられうる最もタフな組み合わせとなりましたが、それでもあっさり全勝で1位通過してしまうような気がします。

果たして、年間1位でシーズンを終えることはできるでしょうか。

また、コミットメントプレイヤー(上位30人)の顔ぶれも変化が。

イスナーが14人をごぼう抜きして圏外から入ってきたのもビックリでしたが、常連のコールシュライバー、フォニーニらが外れました。

逆に、ティエムを先頭にキリオス、プイユ、ソック、ズベレフ、トミックといった若い力も台頭しつつあります。

来年はさらに混沌としそうな予感です。

では次に後半戦ランキングです。

上位20名を以下に示します。

すいません、デルポトロを入れたかったので21名にしました。

Non-Mandatoryの大会数制限があるので、純粋に後半戦だけで稼いだポイントではありませんが、こう見ると後半戦よかった選手が上位に来ているのが分かります。

マレーはウィンブルドン優勝にMS2勝、さらに500も3勝の計6勝に、オリンピック金メダルという充実ぶり。

一方ジョコビッチは全米準優勝はあるものの、優勝はカナダMSの1勝のみ。

前半戦の3225ptという大きな貯金を吐き出し、逆転を許してしまいました。

それでも2位ですから、3位以下の選手にとってはまだまだ大きな壁です。

全米を制したワウリンカ、ウィンブルドン準優勝のラオニッチ、シンシナティMSとバーゼルで勝ったチリッチが僅差で続きます。

そして、錦織は6位です。

目立つ成績はカナダMS準優勝、全米ベスト4、バーゼル準優勝で、前半戦より落ちたとはいえ2000ptを超えました。

昨年に比べ、MS以上で成績を残すことができており(後述します)、ランキングを安定させる大きな要因となりました。

これにNon-Mandatoryの成績もついてくれば、3位は間違いなく達成できます。

また、後半戦は2度ケガがあったことを考えると、下に落ちる心配はまるでないことが分かります。(結局ファイナルボーダー+1490pt、昨年は自身がボーダーライン)

上だけを見て頑張ってほしいと思います。

モンフィスはなんだかんだで7位。

全米SF、カナダSF、ワシントン優勝が効いています。

モンテカルロもいれるとMS以上で2500pt以上稼いでいる計算になるので、ファイナルに残ったのも納得です。

出られるかどうかは心配ですが…

そして、100位外から一気に上がってきたカルロビッチ、ジョンソン、デルポトロの3人はいずれも、後半戦の250の大会で優勝しています。(カルロビッチは2勝)

カルロビッチに至っては、前半戦もこのペースだったらほぼファイナルボーダーライン付近まで来ていた計算です。

37歳の大ベテランですが、健在ぶりを見せつけました。

後半戦に復調してきたディミトロフは12位。

もっと上の順位かなと思っていたのですが、終盤戦はタフドローに泣かされたことが影響しましたかね。

ただトップ10復帰への足掛かりを作れたことに違いはないと思いますので、錦織と同じYoung Guns世代として、来年もツアーを盛り上げてほしいです。

ちなみに3大会しか出ていないフェデラーが18位…他の選手頑張れよ!

それでは3つめのMSランキングです。

Mandatoryではない、モンテカルロMSを除いた8大会のポイント上位10名を以下に示します。

1位は8大会の半分にあたる4勝を挙げたジョコビッチ

ただ、前半は3600pt(3勝)だったのに比べ、後半は1540pt(1勝)。

シンシナティに出ていないとはいえ、昨年はマドリードを飛ばして6200pt(5勝)でした。(ちなみにモンテカルロも勝っていたため実質6勝)

それでも5000ptは超えているわけですし、一般的に見ればすごい数字なのですが、ジョコビッチとしては不十分な成績と言えるかもしれません。

2位は3勝を挙げたマレー。

そう、上位2人で8大会中7勝を独占しているのです。(これは昨年と同じ、もう1勝はフェデラーでBIG4独占だった)

こちらは前半は1690pt(1勝)に対し、後半は2600pt(2勝)。

カナダをスキップしていますが、全試合に出た昨年の4370pt(2勝)とほぼ変わりません。

昨年はマドリードを勝っていて、クレーの苦手意識が払しょくされた感がありましたが、今年はモンテカルロSF、マドリードF、ローマW、全仏Fと、クレーが苦手だったのが嘘のような好成績です。

全てのサーフェスで安定して強さを発揮したマレー、来年はジョコビッチ以下の選手たちの挑戦を受ける立場になります。

来季前半戦でこの勢いを維持できれば、失効ポイントの関係で長期政権を築く可能性も十分。

来年は本当の意味で「マレーの年」にできるか、注目です。

3位はやはり錦織でした。

準優勝2回、ベスト4も2回と年間を通して安定した成績を残したことがこの位置につながりました。

もちろん、前半1500ptで年間3000ptペースだったことを考えると後半がもったいないような気もしますが、それでも昨年の1350ptから大幅にポイントを伸ばしました。

GSランキングも5位タイと、大きな大会で結果を残し続けた今季の集大成として、ファイナルでは2年ぶりのSFに進むことを期待しています。

4位はラオニッチ。

決勝に残ったのはインディアンウェルズの1回だけですが、QF以上に進んだのが6/8。

こちらも年間を通して安定した勝ち上がりでした。

ケガを抱えながらキャリアハイの4位にまで上り詰めたのは、Mandatoryで稼ぐことができたからに他なりません。(GSランキングでも4位、Mandatoryトータルではジョコビッチ、マレーに次ぐ3位)

来年は錦織とともにYoung Gunsのトップ2として、2強を脅かすような活躍を期待したいです。

5位はBIG4独占を阻止してシンシナティで勝ったチリッチでした。

シンシナティ以外ではパリSF、インディアンウェルズQFぐらいでパッとしないものの、1つ勝つだけでこの位置に来るのですから、優勝の1000ptがいかに重いかが分かります。

前半戦でファイナルボーダーから1000pt近く離されていたチリッチが、ファイナル圏内に入ってきた大きな要因の1つだったことは間違いありません。

厳しい組み分けのファイナルでは、好調だった後半戦の真価が問われそうです。

6位はゴフィン。

半分の4大会でQF以上に勝ち上がっており、特に前半戦の躍進を支えました。

これを見ても、やはり彼はNon-Mandatoryを頑張らないといけないことが分かります。(GSランキングは12位、Mandatoryトータルでは8位タイ)

7位はナダル

2大会欠場してもここに入ってくるのですからさすがです。

来年、元気な姿で帰ってきてくれることを切に願います。

8位はベルディヒ

SF以上のビッグポイントこそないものの、QFが半分の4回、初戦敗退は1回のみと安定していました。

ただその唯一の初戦敗退が上海だったのは、ファイナル進出を争う上で本当に痛すぎました。

さらに、GSランキングでは5位タイ、Mandatoryトータルでも6位だったので、Non-Mandatoryでの取りこぼしが最後まで響きました。

来年は6年維持し続けた「定位置」に戻ってこれるのでしょうか。

9位と10位はそれぞれモンフィスとアグ。

モンフィスは年間通しての安定性、アグは上海Fの一発でこの位置に来たという感じです。

GSランキングの時も触れましたが、やはり年間1000ptというのが、8位付近のラインのように感じます。

ベルディヒは特殊ですが、1000pt獲るためには1回決勝に残るか、SFが複数回ないと厳しそうです。

ちなみに、ワウリンカは750pt、ティエムは570ptでした。

ということで、今季もファイナルを残すのみとなりました。

最後のまとめとして、前半戦終了時に算出した、Mandatoryにおけるレースランキング上位8人の占有率の結果を改めて見てみます。

上位8人なので、ファイナルに出場しない8位ナダルを含めます。

2014年          Mandatory

1.ジョコビッチ 10010  8820

2.フェデラー   8700  6390

3.ナダル     6835  5635

4.ワウリンカ   4895  3380

5.錦織      4625  2945

6.マレー     4475  2970

7.ベルディヒ   4465  2810

8.ラオニッチ   4440  3310

合計           36260 占有率74.5%

9.チリッチ    4150  2920

2015年          Mandatory

1.ジョコビッチ 15285 13400

2.マレー     8470  7190

3.フェデラー   7340  5160

4.ワウリンカ   6500  5035

5.ナダル     4630  2670

6.ベルディヒ   4620  2890

7.フェレール   4305  1765

8.錦織      4035  2125

合計           40235 占有率82.7%

9.ガスケ     2850  1900

2016年          Mandatory

1.マレー    11185  9050

2.ジョコビッチ 10780 10430

3.ワウリンカ   5115  3695

4.ラオニッチ   5050  4140

5.錦織      4705  3720

6.モンフィス   3625  2045

7.チリッチ    3450  2155

8.ナダル     3300  1290

合計           36525 占有率75.1%

9.ティエム    3215  1605

ちょうど2014年と同じぐらいになりました。

前半戦終了時点で、2015年より低くなることはある程度予測できていましたが、2014年と同じぐらいになるとは思っていませんでした。

ただ、中身を見ると同じように低くなった理由は違うようです。

2014年は10位フェレールで4000ptを超えており、11位ディミトロフも3645ptと、上位11人がポイントを分け合うような形となっていました。

一方今年は錦織までの上位5人は強かったですが、それ以下の選手と少し差がありました。

上位5人の獲得ポイントを比べると、今年は31035pt、2014年は27170ptと、4000pt弱の大きな差があります。(ちなみに2015年は33455pt)

一方、6~8位の3人の獲得ポイントは、今年が5490pt、2014年は9090ptと、3600ptも少なくなっています。(ちなみに2015年は6780pt)

ということで、今年はマレー、ジョコビッチの2強が抜けており、それを追うワウリンカ、ラオニッチ、錦織の3人が第2グループを形成し、さらに少し離れてモンフィスを先頭とする5人前後の第3グループがあるという構図になりました。

錦織はファイナルで、2強でも勢いのある方のマレー、同じ第2グループで実はSF率100%のワウリンカ、第3グループで一番勢いのあるチリッチというタフなドローを引きました。

チリッチがパリSFで負けていなければモンフィスだったのに…確かにあのスーパーイスナーではだれが相手でも厳しかったでしょうが…

まあたらればを言っても仕方がありませんので、マレーは厳しいにしても、ワウリンカ、チリッチには勝って欲しいと思います。

なので、RR突破には初戦のワウリンカに勝つことがほぼ必須条件。

準決勝で、おそらくもう1つのグループ1位で上がってくるであろうジョコビッチとの対戦を、久々に見てみたいです。

とにもかくにもシーズン最後のお祭り、トッププレーヤーたちの競演を純粋に楽しみたいと思います。

ここまで読んでくださった皆様、こんな長文にお付き合いいただき本当にありがとうございます。

来年は更新頻度が落ちることがすでに確定しているのですが、その分中身が濃く、面白い文章を書けるように頑張りたいと思います。

これからもよろしくお願い致します。