祝四大陸優勝!三原舞依選手の魅力とは?
こんばんは、ch191です。
今回は、前回の記事(スポーツ報道のあり方について その3~なぜ、早急に判断したがるのか~)に追記するような形で、先日の四大陸選手権で優勝した三原選手について書きたいと思います。
このたびのメディアの態度に怒っているので、言葉の使い方が雑になっているところがありますが、ご了承いただければと思います。
前回の記事で私はこのように書きました。
「五輪3枠確保に暗雲」という書き方は、間違っているとまでは言わないものの、結論を出すのが早すぎるという印象を受けます。
まず何より、樋口選手と三原選手に失礼です。
日本の女子フィギュアのレベルを過小評価しすぎではないでしょうか。
先述の通り、昨シーズンとは状況がかなり変わってきています。
そして、四大陸選手権があります。
今年はヨーロッパ以外の主力級の選手がそろいますので、世界選手権に向けた良い試金石になることは間違いなく、この結果を見ずに結論を出すのは早急すぎます。
結果はご存知の通り、三原選手が200点越えのPBで優勝です。
私はこの結果を予測していたわけではありませんが、2人のどちらかは「表彰台に乗る」とは思っていました。(そして個人的に三原選手の方に期待していた)
「だから言ったじゃん」というのが正直な気持ちです。
そして案の定、メディアは手のひら返しをしてきました。
出発時にはほとんど見向きもしていないくせに、優勝して帰ってきたら取材陣が殺到する。
挙句、「新エース候補誕生」とか、見る人が食いつきそうな見出しで必要以上に煽る。
一番ひどいと思ったのは「五輪3枠取りへ光」と書いた記事。
「光」と書くということは、それまでは「闇」(暗い、暗雲)だったということですか?
また記事の中身は、やはり浅田、安藤、宮原に次ぐ日本女子4人目の200点台だとか、浅田以来の初出場初優勝だとか、他選手との比較での論調が多くなっていますが、優勝したことを称える記事を書くのであれば、そこに至るまでの過程(今シーズンの成績やこれまでの努力)とそのメンタルの強さにスポットを当てるべきで、純粋に彼女の良さ、魅力をもっともっと取り上げてほしいと思います。
さて、これ以上愚痴っても仕方がないので、ここからは三原舞依という選手の良さについて、個人的に思うところを書きます。
まず技術的な部分に関しては、ジャンプに癖がなく、ミスが少ないというところではないかと思います。
ほとんどの選手は、ルッツとフリップのどちらかに苦手意識を持っていて、いずれかでアテンション(!)かエッジエラー(e)を取られることが多いです。
そのため、SPのトリプルジャンプで3Lzと3Fの併用を避ける選手は少なくありません。
しかし、三原選手は3Lzと3Fをクリーンに飛べています。(今大会のSPで3Lzと3Fを併用し、何も取られず加点がつくジャンプを飛べたのは三原選手とチェ・ダビン選手だけ)
よって、3Aを除いた中では最高難度の構成を組むことができ、それに自信を持って挑むことができているのです。
そして、ミスが少ないことも彼女の大きな武器です。
今シーズンのトータルスコアは、ISU公認大会では初戦で出した189.03を下回ることがなく、滑るたびに得点が上がっていっているのです。(以下参照)
189.03(ネーベルホルン杯)⇒189.28(スケートアメリカ)⇒190.92(中国杯)⇒200.85(四大陸)(ちなみに全日本では198.17)
今回の四大陸は、PCSが全体的に低めに出ている印象でしたが、それでも大台を超えたことは、TESの高さを物語っていると思います。
精神的な部分に関しては、先ほどの「ミスが少ない」というところに関連しますが、大舞台であっても常に自分を見失わず、練習通りの演技ができるところだと思います。
初戦やシリーズ2戦ではいくつかのミスが見られましたが、より結果が求められる全日本や四大陸ではそれらを修正してノーミス。
常にノーミスすることを意識して練習に取り組んでいるからこそ、どんな時でも自信を持って滑ることができるのでしょう。
今回の四大陸ではそこまで注目されていなかったことが好結果につながったが、この優勝によって注目が集まることで、世界選手権で力が発揮できるか懐疑的な見方をする人もいますが、私はそうは思いません。
優勝してなお、「表現力でまだまだ差がある」ということを17歳にして冷静に自己分析できているからです。
そして何より、選手生命すら危ぶまれた難病をも克服した心の強さを持ち合わせています。
大好きなスケートが半年もできない時期を経験したからこそ、今の彼女はスケートができる喜びに満ち溢れており、それが演技を通して見ているこちらにもひしひしと伝わってきます。(この文を書きながら、演技を思い出して泣きそうになっています)
そんな彼女なら、周囲の雑音などに惑わされず、世界選手権の舞台でも自分の演技ができると思います。
ということで、最後にこれだけ言わせてください。
頑張れ舞依ちゃん!
あなたは強くて美しい、まさに氷上のプリンセスです。
持てる力を発揮して、今シーズンのシンデレラストーリーがハッピーエンドを迎えられることを、心から祈っています。